2021年1月30日土曜日

忍ぶことは、「認める」こと

 私たちにとって、かつて経験したことのないコロナ禍での生活は、早1年がたとうとしています。昨年のお正月は久しぶりに故郷に帰省し、懐かしいご家族や友達とお会いした方も多かったことでしょう。お正月休みが明ける頃になると、どの高速道路も新幹線もいっぱいになる、この正月の風物詩のような光景に待ったがかかるとは、誰もが思いもしなかったことでしょう。

 確かに、10年前の2011年3月には私たちは未曽有の災害と言われる「東日本大震災」を目の当たりにしました。家族や家を失い、丸ごと故郷を奪われた方の悲しみは、まだ癒えることはありません。人々は、この時、肩を寄せ合い手を握り合って、冷えた心も体も温め合ってきました。


 今回のコロナ禍では、肩を寄せ合うことも手を握り合うことも出来ません。まるでコロナに引き裂かれるように、故郷の家族に会えなくなった方もいます。 

 我慢して頑張って、感染を止めようと必死で生きている人の間をすり抜けて、コロナウィルスは宿主を増やし続けています。


 私たちは、どれだけ忍耐すればいいのでしょうか。


 コロナ禍でステイホームが続く中、読んだ本に次のような一説がありました。


『「忍」とは、ありのままを確認し、それに徹すること。しかし、ただ苦しさや怒りやつらさを、じっと我慢するだけが「忍」ではありません。忍は「認」と同じだとするのが大乗の思想で、たとえば金剛経は、忍を「認める作用」としています。「確認」というように、認めて確かに知り、その時点で必要な行動をするのが、認であり忍です。』(松原泰道著「法華経入門」より)



 苦難をただ耐え忍ぶだけではなく、事実を確認し受け入れることで、普通では得られない生き方や考え方を学びとっていくことができるということでしょうか。


 私たちは、コロナに慣れてきたのではなく、そこから学び発見し新しい世界を築きつつあるのかもしれません。(F)


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